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【受験記】Tableau DATASaber

 こんにちは。エイトハンドレッドテクノロジー本部の砂押と申します。この度、Tableau DATASaberを取得しましたので、未来のDATASaber志望者の助けになるよう記録を残させていただきます。そもそもTableau DATASaberとはなんぞや?というところから始まり、取得に向けて実施した取り組みやtipsなど役に立つ情報を詰め込みました。是非最後まで読んでいってください。

Tableau DATASaberとは?

 Tabelauの国内ユーザーコミュニティであり、独自の認定試験に合格することでDATASaberを名乗ることができ、様々な特典を受けることができます。2024/6/1時点で既に2000名近くが本資格を取得しており、Tableauコミュニティの中でも巨大です。

※参考: https://datasaber.world/

志望者が気になるポイント

  • Tableau公式の認定資格との違いは?
    • 公式の認定資格ではなく、あくまでもユーザーコミュニティの資格
    • 受験料:不要
    • テキスト購入:不要
  • 難易度は?
    • それなりに難しい。試験期間が長いため、完走することが最大の難点
  • 取得のメリットは?
    • Tableau DATASaberを肩書として名乗ることができる
    • Tableau DATASaber専用のslackにて情報交換(各種イベントの紹介なども)
    • 弟子を取得し、新たなDATASaberの育成が可能になる


Tableau DATASaber取得までの道のり

 Tableau公式が提供する認定試験とは異なり、本試験は一発の筆記試験ではありません。ビジュアライゼーションを作成する能力だけでなく、BIのスペシャリストとしての精神・考え方も試されます。以下、求められる能力について、公式サイト掲載の文章を抜粋しました。

  • データのその先の世界を見通す技術力
  • データドリブン文化を伝え、人々を導く力

求められる能力の証明として試練をクリアする必要があります。
全体の流れを示します。


1.師匠探し

Tableau DATASaberは「受験します」といって進められるものではありません。必ず先輩DATASaber(Tableau DATASaberの中では、先輩DATASaberを師匠と呼称する。)を探す必要があります。 方法は2種類あります。

私の場合は、社内に師匠がいたためスムーズでしたが、基本的にはSNSなどで師匠を探す必要があります。Xで#DATASaberで検索してみてください。個人に連絡を送るハードルが高い方はDATASaber Bridgeを利用してみるのをおススメします。



2.試練 技術力に関する十の試練

私が受験してみて必要だと感じたスキルを下記に列挙します。

  • Tableauでのビジュアライゼーション作成能力
  • 一般的なビジュアライゼーションの考え方
  • Tableauの設計思想に関する理解

学習コンテンツが整備されているので、安心して始めてください。 受験時点でスキルが不十分でも学びながら習得していきましょう。 試験開始前から実際の試練内容を見ることができるので、雰囲気を掴みたい方は見てみてください。

※参考:一つ目の試練

https://public.tableau.com/app/profile/data.saber/viz/1_HandsOn-Fundamental/1_HandsOn-Fundamental

二~十の試練についてもDATASaberの公式サイトで閲覧可能(公式サイトの下記画像の箇所)

十の試練

受験時点で私のTableau歴は4年ほどでしたが、それでも今回の受験を通して新たに学んだテクニックが多々ありました。また、Tableauの設計思想については完全に初見でしたが、Tableau固有の仕様について背景と併せて理解することができ、他のBIツールとの差別化ポイントについて理解を深めることができました。

DATASaber受験者あるあるだとは思いますが、十の試練がなかなかクリアできず何度もリトライしました。試練ごとに満点を取らないとクリアにならないため、メンタル的にもかなりきました。



2.試練 コミュニティ活動で50pt以上を獲得

組織内/組織外でそれぞれタスクをこなすことでptを獲得できます。 実際に自分が取り組んだタスクを一例として示しておきます。タスクによってはかなり難易度の高いものもあります。

  • 組織外:Tableau PublicへのViz投稿
  • 組織外:Tableau関連のブログ記事の投稿
  • 組織内:イベント開催
  • 組織内:Viz共有


私の実施内容紹介 組織外:Tableau PublicへのViz投稿

私が作成したvizのうち、特に気に入っているvizを置いておきます。 東京メトロのオープンデータから駅別の1日平均乗車数を可視化しています。 沿線の色を実際の路線カラーと合わせているのがミソです。(よければリンク先でお気に入り追加をお願いします。)

Tableau PublicへのViz投稿のタスクに関してはネタ探しにかなり奔放しました。私の場合、Makeover MondayWorkout Wednesday – #WorkoutWednesdayあたりからネタを探していました。 他には、日本の統計データを取り扱うe-statから集計データを探してvizの作成を行いました。 政府統計の総合窓口



私の実施内容紹介 組織内:イベント開催

社内で"Tableau勉強会"と銘打って、普段Tableauを使用しない社員を対象に勉強会を実施しました。この時のテーマは、"売上ダッシュボードのテンプレを定義する"というものです。当日のスライドをいくつか抜粋して掲載しておきます。

Tableau初学者からいただいたコメントを載せておきます。

ダッシュボードの作り方は知っていたが、ダッシュボードの構成については情報があまりなかったので勉強になった。操作手順を勉強する前に知っておいたらもっと理解が深まったと思う。



最終試練

最終試練は口頭試問とビジュアライゼーション作成です。ようやく一発本番の試験です。試験問題の詳細は最終試練当日まで明かされません。

あまり詳しく書けませんので、簡単なアドバイスだけ記載しておきます。"2.試練"で学んだことを自分の言葉で説明・表現できるようにしておけば大丈夫だと思います。時間制限があるため、ダッシュボード作成においては時間配分に注意してください。



Tableau DATASaber取得におけるTips

期間について

90日の期間内に"2.試練"をクリアする必要があります。90日もあると思いきや、実際始めてみるとあっという間に期限ぎりぎりとなっています。計画的に進めることをお勧めします。

また、期間内であれば"2.試練"を再試験することが可能なので、根気よく取り組むことが大事です。 開始日については師匠と相談して決めることができます。

試練で詰まった時の対応

師匠との定例mtgにて相談していました。私の場合は、2週間に1度、30分のmtgを実施しました(頻度は師匠と相談)。

90日の期限が近付いてきた際には定例mtg以外にも何度かスポットでmtgを実施しました(師匠ありがとうございます)。


Tableau DATASaber後の感想

一番大変だったこと

モチベーション管理が最も大変でした。ただでさえ大量の試練があるのですが、"2.試練 技術力に関する十の試練"に関してはそれぞれ満点をとらないとクリアになりません。複数回答の設問もあるため満点をとるのは非常に困難で、私の場合、四の試練で6回再チャレンジしました。

ちなみにチャレンジ自体は1試練あたり1日1回まで可能です(並行して複数の試練にチャレンジすることも可能)。Googleフォームから回答を送信してだいたい15時頃に結果が確認できます。自信を持って送信した回答がダメだったときの絶望感はなかなか日常では味わえない貴重な経験になるかと思います(ポジティブ)。

取得してよかったこと

実践的なビジュアライゼーション作成のノウハウを学習できたことがとてもよかったです。この記事を見ている方の中にも、誰でも使える汎用的なダッシュボードを作る方が多いかと思います。試練の中には、アドホック分析に最適化したダッシュボードを、実際の事例と交えて作成する課題もあり、ダッシュボードの使い方についての視野が広がる良い機会になりました。

また、Tableau DATASaberになったことで自分だけの二つ名をつけることができました。私の場合、"サミュエル・エル・Lod計算"と名付けています(※Tableau DATASaberは映画"スターウォーズ"から着想を得て随所に反映しているため、私の名前もスターウォーズの登場人物"メイス・ウィンドゥ"の俳優"サミュエル・エル・ジャクソン"を文字って名付けています。)

未来のTableau DATASaber志望者へのアドバイス

とても大変ですが、90日乗り越えた時の達成感は他に代えがたいものがあります!ダッシュボード作成は手を動かすことで、それらしいものができてしまう分、新しい技術を取り入れる機会が少なくなると思います(自分はそうでした)。そんな中でこのTableau DATASaber試験は沢山の刺激を与えてくれるので、Tableauの理解度を向上させたいと考えている方にピッタリです。

この記事を読んでいるあなたがTableau DATASaberになった暁には、共に盛り上げていきましょう!



さいごに

エイトハンドレッドにはTableauを始め様々な専門性を持った方が多く在籍しています。また、ナレッジシェアへの意識が高く、組織として切磋琢磨していきたい考えの人には最適な環境です。お時間がありましたら他の記事も是非見ていってください。


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